2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

34…運命の日

翌日、雫をバイクに乗せ学校へ行ってる時だ 突然背中を叩かれ 「蓮!止まって!!」 慌ててバイクを止める 「どうした?」 雫は額を抑え、俯いてる 「おいっ?雫?」 「…ゴメン。何でもない、行こ」 「何でもないって…」 「大丈夫だから、行って」 「…分かっ…

33…蓮の護衛

夏休みが終わり、新学期が始まった 「おい、雫」 蓮の護衛も始まってる 「おい、返事しろって」 紫音はあれからだいぶ過保護になった 「おいっ雫!」 隣を見れば、蓮が不機嫌そうに私を見てる 「…何」 「何って、呼んでも全然答えねぇから。せっかく一緒にい…

32…罠

水沢文side 私は水沢文、久八高校の教師です 授業とカウンセリングをしてて、昼休みにピアノを弾いてます 聴きに来てくれる生徒の1人、神凪雫さん 最初会った時は、男子の制服を着てましたが 暫くしてから、本当は女の子と言われ驚きました でも、神凪さんは…

31…鷹と蓮(2)

部屋を出て、自室に向かってると 「おいっ」 後ろから蓮が 「テメェに聞きたい事がある」 蓮を無視して歩くと ガシッ 「待て」 手首を掴まれた 「俺の質問に答えるまで離さなねぇ」 毎度毎度、メンドくさ 「俺を狙う奴を、どんな奴か知ってんのか」 「(コク)…

31…鷹と蓮(1)

夜 未だに不安な目をしてる紫音 「行ってくるね」 「行ってらっしゃい、気をつけて」 《テレポート》で桜井組の自室に移動する ローブを纏い手袋をし、楼の部屋へ行く 「俺の隣にいろ。紫音はどうだ?」 「ちゃんと見送ってくれました」 楼と話してる内にス…

30…楼の弟、蓮

楼が部屋を出て行った スタ…スタ…スタ…と足音が近づく 楼が来たか …いや、今出てったばかり 早過ぎる 「兄貴、ちょっといいか」 「兄貴って、まさか!?」 「?」 紫音が慌て出す 兄貴…楼に弟なんていたっけ とりあえずフードを被る 「入るぞ」 現れたのは……

29…奴等

紫音と桜井組へ 部屋には楼と春が 「部屋全体を隠せ。」 《ヒュプノ(催眠)》 「もう、いいだろ。」 フードを外し 栞、紫音として対峙する 「で、話は」 「…楼が調べろと言った組、奴等が裏にいる」 「? 奴等?」 「私を誘拐した奴等」 「!?……なっ……!?」…

28…動き出した歯車

紫音が蒼鷹となってからは、どんな仕事も一緒にしてる 組の抗争は、何が起こるか分からない 時には重傷者も出るから《テロメア(生体コントロール)》で治したり、治癒能力を使う そしてある日、運命の歯車が動き出した 「鷹、蒼鷹。少し遠いが、この組を偵察…

27…蒼鷹の初仕事

ある日 家で紫音とくつろいでると “鷹” 頭に直接、声が聞こえる “何?春” “若が今から蒼鷹(紫音)と来いと” “分かった” 「姉さん?」 「紫音、これから楼のとこに一緒に来て」 「…分かった」 「手、繋いで」 《テレポート》 瞬けば、桜井組の自室 「さてと着…

26…雫の謎

旅行から帰ってきて ひとまず倉庫に行き皆で話してると 「あ、あ…あーーーーー!?」 春也の叫びが倉庫に響いた 「どうしましたか」 春也は朔に顔をギギギ…と動かし 「夏休みの課題…!」 「? 終わらせてますよね?旅行に行く前に終わらせると決めてましたか…

25…私の過去(4)

「紫音?」 「蓮」 「何でここに、自分の部屋に戻ったんじゃなかったのか」 「…」 「雫は、寝てんのか」 「蓮、もう休みなよ」 「お前だって、休め」 「俺はもう少し、ここに居る」 「…さっき言ってたな。雫は大事な人だって、どういう意味だ」 「……蓮に関係…

25…私の過去(3)

紫音side 姉さん… 無表情だったけど、俺には分かる コンッコンッ 「姉さん俺、紫音」 返事は無い 「入るよ?」 姉さんはベッドで丸まってる 「姉さん」 姉さんは怯えてるのか、ビクッと反応する 「近くに、側に行ってもいい?」 ベッドに乗り、正面に座る 姉…

25…私の過去(2)

目を覚ませば 「あ、蓮。」 見下ろしてる紫音 …俺は 「ここは、俺はどうしたんだ…?」 「ここはホテルの蓮の部屋、外で倒れて雫に呼ばれた俺が運んだ」 「倒れた?」 「ただの寝不足だって」 俺は雫を追い掛けて それで…寝不足で倒れた? 「雫は?」 「部屋…

25…私の過去(1)

蓮side 雫を追って、ホテルの外を歩いてるが おかしい 雫はさっきホテルから出たばっかだ、なのに見失った 幸いにも、気配を消さずにいてくれてるから意識を集中し、気配を辿る 少し離れた先のベンチに雫は居た 近付こうとしたら、反対の曲がり角から人の声…

24…嫉妬

ホテルに戻り 春也と朔は部屋に行き、俺も部屋に行こうとしたら 「おい、紫音」 蓮は俺の胸元を見て 「お前、ネックレスなんてしてたか?」 「!」 咄嗟にネックレスを握ってしまった それを蓮が見逃す筈は無く 「今まで何も着けてなかったよな?」 「買った…

23…傷

姉さんを見てて、ふと気付く 「蓮と朔は先に行ってて」 「紫音も雫と来い」 「…蓮、先に行きましょう」 「……」 朔に蓮を春也の元に行かせる 「何か隠してるの」 「…別に、何も」 「…」 「……はぁ」 姉さんが皆に気付かれない様にシールドを作って、周りに声が…

22…夏休み

23〜夏休み 蓮side 数日間のテストは終了し、夏休みが始まる1週間前…テストの結果発表日だ 玄関ホールに順位表が張り出される 春也はギリギリの順位で、夏休みの補修を免れた 気になってるのは雫…だったが、1位を取ってた これで全員で海に行ける 「やったー…

21…蒼鷹(2)

酒向side とうとう始まった 意識を失った紫音君が栞さんに覆い被さる前に支える 「頑張って」 紫音君を横にし、近くで見守る 「栞、本当に良かったのか?」 若が栞さんに、何度も聞いてきた質問を再度尋ねる そう この試練は楼さんが組長として、いや…幼馴染…

21…蒼鷹(1)

テスト初日 全科目のテストだから、選択科目も含めて10科目以上 午前中に行い、午後は帰って勉強の時間 私は理事室でやり、開始数分後には解き終える 「今日は仕事があるから、ここで寝るね」 「おう」 今日は紫音が最後の試練を受ける日けど、紫音は知らな…

20…テストと夏休み(2)

それからと言うものの、春也はずっと勉強してる …けど 「うわ〜っ!ここ分かんない!朔〜!」 幹部室で机を教科書で埋め尽くしてる春也 「はいはい」 隣で教えてる朔 「これのどこが分かんない訳?」 紫音がソファから身を乗り出して、手伝いながら呆れてる …

20…テストと夏休み(1)

今学期が終わりに近づき、夏休みがもうすぐって時だ 春也が突然 「海に行こ!」 「「は?」」 「…」 「海だよっ海!」 「春也、海だとはしゃぐ前に、テストがあるのは覚えてますよね?」 「…あ、ああーー!!」 「「「(馬鹿だ)」」」 春也以外の皆の心の声が…

19…打ち解け始める

蓮side それから、雫は少し変わった 「ゲームやろ!」 「…ん」 春也がゲームに誘い 「雫さん、こういうのは読みますか?」 「うん、読む」 朔とは本の話を 今まで何にも興味を示さなかったが 少しずつ…打ち解けていってる それに自分の事も『俺』じゃなく『…

18…雫と紫音

それからも、雫の態度は変わらず …紫音と常にいる ある日 敵対してる族が乗り込んできた 「白狐!お前等を潰して俺達がトップになってやる!」 幹部室に居た俺等は急いで部屋を出て行く 紫音と雫がまだ中に居る… 咄嗟にドアの前で耳を澄ませる 「こ…ら出…で…

17…自分の気持ち(桜井 蓮)

蓮side 雫の退院日は知ってたが、俺達が行った頃には既に居なかった 会いたいと今井に雫の家を聞いたが 『1人暮らしの女の子の住所を教える訳ないだろ』 仕方なく帰路に着いた それからだ、雫と会えなくなってるのは 紫音にも、あれから会ってない 朔に、暫…

16…姉さんと酒向さん

酒向side 栞さんが休まれた後、紫音君が風呂から上がる 「姉さんは?」 「先に休んだよ」 「そうですか、丁度良かった」 「?」 紫音君は真向かいに座る 「酒向さん、話の続きいいですか?姉さんと初めて会った時の」 「ああ、いいよ。その前に、夕飯を頂こ…

15…影になる為に

酒向さんとの稽古は、毎日する事にした 2人が心配したけど、早く力を付けたいから 稽古場が姉さんが作るって言ってたけど、どういう事なのか とりあえず稽古は学校から帰ってきてからだから、昼間はいつも通り あれから、蓮とは会ってない 倉庫にも行かない…

14…組の影、鷹(2)

落ち着いたとこで桜井さんに向き直る 「桜井さん」 お互いに視線を合わせ、逸らさない 気を抜けば、体が震えそうだ でも、ここで退く訳にはいかない どれ位経っただろうか… 桜井さんが目を閉じ 「はぁ〜、分かった」 「楼…」 「ありが「但し」」 「栞の…鷹の…

14…組の影、鷹(1)

紫音side 桜井さんが射抜く様に俺の目を見る 「これから話す事は、誰にも話すな。バラせば幼馴染でも、始末しないといけなくなる」 「!? は、はい」 「影ってのは名の通り、組での影の存在だ、名は…鷹。 組関係やらの仕事をする時に使う名だ 俺の命令次第…

13…桜井組

理事室に行くと 「姉さんっ」 ソワソワしてたっぽい紫音が目の前に来る 「蓮、大丈夫だった?」 「大丈夫。ゴメンね、紫音が蓮と気まずくなる」 「俺はいいよ。ところで、まだ昼過ぎだけど、行くの?」 「うん、行こうか。和士、ここから行くから」 「おう」…

12…蓮への隠し事(2)

あ、蓮が近づいてくる 紫音は感情が高ぶって蓮の気配に気づいてない この状態、私は別に見られてもいいけど、紫音が気まずくなるのかな 「紫音」 「何?」 「ちゃんと雫って呼んでね」 「? 今なら誰にも…あっ!」 ガチャ 「雫と…紫音?」 蓮がドアを開けた…