32…罠

水沢文side

私は水沢文、久八高校の教師です

授業とカウンセリングをしてて、昼休みにピアノを弾いてます

聴きに来てくれる生徒の1人、神凪雫さん

最初会った時は、男子の制服を着てましたが

暫くしてから、本当は女の子と言われ驚きました

でも、神凪さんは神凪さん

ピアノを聴きに来てくれる、私の生徒です


今日は出掛けてて、その帰り道を歩いていたら


「キャッ」


横の道から出てきた人とぶつかってしまい、尻餅をついてしまいました


「痛たた…」

「すみませんっ」


顔を上げれば、綺麗な女性


「いえ、こちらこそ」


差し出されてる手を掴み、起き上がる


「怪我はありませんか?」


女性は心配そうにして下さってる


「大丈夫ですよ、ありがとうございます」

「良かった〜、本当にすみませんでした。では先を急いでるので」


女性は走って、すぐに居なくなりました

辺りは暗くなってきた


「私も帰らないと」


今日の夕飯は何にしようかと、のんびりと帰りました

 


「マスター、仕込み完了しました」

「失敗は無いな?」

「はい。記憶を読みました。人形で間違いありません、レンも」

「くれぐれも、しくじるな」

「分かっています」


さっきの女を使えば、後は簡単だ


「もうすぐ…もうすぐよ」