40…護衛再開、最後の機会(1)

落ち着いてから、蓮にも紫音のネックレスと同じ効果の物をあげる事に

力が使えないのが心配だったけど、いつの間にか使える

ネックレスをあげようとしたら


「コレ」


そう言われて差し出されたのは、指輪

しかも2つ


「1つは俺、もう1つは…お前に」

「え…」

「ただの指輪だ。意味は無い。ただ、お前と着けていたいだけだ」

「…分かった」


左手を優しく掴まれ、人差し指に指輪が


「…ありがと」

「俺の指にも、はめてくれ」


蓮の手に指輪をはめる

見上げると、優しい笑顔


「ありがとな」

「…ん。じゃあ、このままやるね」

「頼む」

 

 

蓮side

栞が指輪に触れ左目にペンタクルが浮き上がる

すると指輪から赤い光が溢れ、光は俺を包み込み、徐々に消えてく


「これで大丈夫」


それからは、俺にとって幸せの毎日だ

神崎栞として正式な白狐の姫になった(本人が嫌だって言ってたが、無理矢理)

朔と春也はビックリしてたが、すぐに打ち解けた


だが、俺が狙われてるのは変わらない

学校では神凪雫として通って


「栞」

「…今は鷹だ」


夜は鷹として動き、昼夜ずっと俺を護ってる

前と変わったのは、部屋の中に居るって事、隅にな

何とか説得し、渋々だが、こうして一緒にいる

ローブを纏いフードを被って、神経を尖らせてる


「なあ」

「…何だ」

「側に行っていいか」

「…駄目だ」


これも、部屋に入らせる時に栞が決めた条件

《部屋に居ても、離れてる事》

あくまで護衛と対象者

鷹の時は、一切の感情を無しにし兄貴の命令に忠実に従う

前に聞いた、栞は…兄貴の命令にだけ、動く


「なあ」

「…何だ」


俺は栞に近寄る


「おい、来るな」

「…」

「おい…」

「ホントに嫌なら、力使って止めろよ」

「…っ」


俺は栞の目の前で座り、フードを外す


「お前は…兄貴の命令でしか、動かないんだよな?」

「それがどうした」

「桜井組に入って、兄貴が頭だから従ってんのか?」

「…」

「答えてくれれば離れる」

「…違う。あの人は、過ちを悔いて死のうとしてた俺に救いの手を出してくれた」

「過ち?」

「……それが、俺の闇だ。ソレを理解してくれた、その上で俺を活かしてくれてる

    死のうとしてた俺に、全力でぶつかって…生きろと言ってくれた

    だから、あの人に着いていってる」


栞の闇


「俺が、お前の闇を理解出来たら…俺の言う事にも、従ってくれるか?」

「…どういう意味だ」

「お前を受け入れれたら、俺の願いも受け入れてくれるか?」

「……」