2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

23…別れ

蓮と元の場所まで戻ってきた 私を抱き締めながら気を失ってる蓮をギュッと抱き締める 「ありがとう、蓮」 でも、 「もう、一緒にはいられない」 意識を取り戻し、自分がやった事を認識した 相手がどうであれ、人を…殺した こんな私が、蓮や皆の側にいちゃい…

22…覚醒

南雲が蓮に指を指した瞬間 指先から黒い光が蓮の胸を貫いた 「え…」 蓮は倒れ、血溜まりが広がっていくのが見える 「………れ………ん………?」 「桜井蓮、お前が悪いんだぜ?俺をイラつかせやがって」 「れ…ん、嘘…」 体が震える 「コイツは死んだ。お前も、後を追…

21…月影

「…蓮を離せ」 栞からは、今までにない殺気が 南雲がニヤ…と笑い、俺の首を掴んだまま立ち上がる 「うっ…くっ…」 栞はピク…と反応する 「安心しろ。お前を殺すまで、コイツには利用価値がある お前が死なない限りは殺さねぇよ」 「…それのどこが安心出来る …

20…蓮と南雲

次の日になっても栞は目覚めない 俺は栞の頭を撫で、キスをする 「…ゆっくり休んでろ。お前は、俺が護る」 家から出て、少し離れた人気の無い場所に行く 「いるんだろ、出てこい」 ソイツは音もなく、栞と同じ力で現れる 「…南雲」 南雲はニヤニヤして 「へ…

19…限界

南雲…シュウも理子と同じ様に私の力を与えられた人間 しかもある能力に特化した 本性を現した南雲は わざと蓮と神崎さんが一緒にいる時に私を異空間に連れ込み、遊びを繰り返す 蓮と神崎さんにとっては一瞬の間だから、どれだけ長くても気付かれない 抵抗す…

18…脅威

神崎修二side あれから数日、今日は蓮と別々の講義を受けてる 栞はいつも通り廊下で待機 漸く講義が終わり、背伸びすると 「ようっ」 「! おうっ」 声を掛けてきたのはダチの南雲 体調不良で暫く休んでた 「体はもういいのか?」 「おう!バッチリ!」 「そ…

17…本当の私

私が目を覚ました頃、捕らえた男達は楼が尋問し終わってた でも、男達は洗脳されてるみたいで 神崎さんの親への憎しみはあったけど、知りたかった情報は何も無かった そして意を決して…、神崎さんが待ってる神崎家に 玄関を開ければ、バタバタと慌しい足音が…

16…襲撃

数日経ったある日 大学を出て大通りに入った時、忘れ物に気付いた 「悪りぃ、忘れ物取ってくる」 「早くしろよ〜」 神崎修二side 蓮を待ってると路地裏から男が 「うわぁああ!」 叫びながら包丁を持って走ってくる 「!?」 栞は瞬時に動き、男を捻じ伏せる…

15…心の傷

蓮side 後日、神崎に栞と話す場を設けてもらい 神崎と栞が住んでる神崎家のリビングに ガチャ…とドアが開き、目を向ければ変装してない栞が、目を見開いてる リビングのドアを開くと蓮が居る 思わず神崎さんに振り向くと 「話、聞いてやれよ」 「…」 「栞」 …

14…後悔

蓮side 神崎や松本…栞と行動を共にする様になってから、イラつく事ばかりだ 栞の怪我は治った様で安心したが、昼には栞の作った弁当を見せつけられるし 栞は常に神崎の側にいる …栞はただ、仕事をしてるだけだ そう思っても、なかなか割り切れない 廊下を歩…

13…確信

蓮side 翌日、大学に行ってすぐに松本を探した 結局見つからず、最後の講義が終わって廊下を歩いてると 「よお」 後ろから神崎と、松本が平然と歩いてくる 思わず駆け寄って松本の手を掴み 「ちょっと顔貸せ」 「桜井、どうし「神崎はここに居ろ」」 近くの…

12…疑惑

蓮side 翌日、大学で講義が無い時間 「桜井、中庭行かねぇか?」 神崎に誘われ、中庭に行くと 「ちょっと寝る」 神崎は寝転がり、横に松本が座る 俺は松本の横に座り、ジッと松本を見る 「……何だ」 「! いや、あ〜、 松本、お前、神崎の付き人って事は、知…

11…付き人

蓮side 仕方なく大学へ行き、講義を受け 母さんが作った弁当を持ちカフェに行く 個室に入ろうとしたら 「一緒にいいか?」 後ろから声を掛けられ、振り向けば 「!…お前っ」 そこには神崎修二と《Attendant(付き人)》のネームプレートを持つ男が 「…」 俺が…

10…紫音の怒り

あの日から、姉さんと蓮は顔を合わせてない 姉さんは組の仕事に専念し 蓮は大学から帰ってきてもすぐに自室に篭る 何も聞かないまま、姉さんから距離を取ってる こういうのは当事者だけで解決するべきなんだろうけど 姉さんが苦しむのをもう、見たくない 意…

9…護衛

紫音がお父さん達に上手く話してたお陰で ここ数日は紫音と一緒に過ごしてる 数日後、楼に呼ばれた 「鷹、仕事だ。ある男を護衛しろ。狙われる立場になったそうだ」 「俺が護衛をする必要性は?」 ただの護衛なら、他の人間でも事足りる 「指名だ」 「…指名…

8…バケモノ(2)

…どれ位、ここに居るんだろ 「おや?」 バルコニーに現れたのは、月影さん 「神崎さん、あまり夜風に当たってると体が冷えますよ」 「…お気遣い、ありがとうございます」 月影さんは腰を下ろし、私と同じ目線に 「何か、ありましたか?」 「…いえ、何も…」 …

8…バケモノ(1)

蓮が私に背を向けて、離れていった 体の力が抜け、ズルズルと座り込む 何で、何で…こんな事に 「…何で」 カタカタと体が震え始め、床についてる手を目の前に上げる 最初から力を使えばよかった? 突然抱き締められたのも、キスされたのも 力を使ってでも、止…

7…怒り

蓮は視線を私に向けると、怪訝な表情に 「…二人で、何してたんだ」 私が口を開く前に 「何も?栞と話をしてただけだ」 「!」 「じゃあな、栞」 神崎さんは私の頰をひと撫でして、蓮の横を過ぎ去っていった 蓮side 俺と紫音に群がる女をどうにか離して、栞に…

6…神崎 修二

談笑タイムは未だに続き、チラホラと縁談話が聞こえてくる お父さんや楼が主に話してるけど、蓮や紫音も声を掛けられる 「あの〜、少しあっちで話しませんかぁ?」 2〜3人が一気に来た メイクが濃くて香水もキツい 「いえ、結構です」 2人が誘いを断るのを後…

5…披露宴

ドレスを着て髪をセットして、左目はカラコンを 念の為に前髪で隠す ホテルの駐車場に車が止まる 隅っこにいればいいとは言われたけど… 溜息を吐くと、蓮が手を握ってくれる 「怖いか?」 「…少し」 優しく抱き締められる 「皆が、俺がついてる」 「…ん」 披…

4…招待状

ある日 神崎家の当主が決まり、その披露宴の招待状が来た 紫音と話さなくちゃと思ってた事が、知らないとこで進んでた 「紫音、どういう事?」 「20歳になったら継ごうと考えてたけど、姉さんを見つけた時から継ぐ気は無くなってた 実は俺以外にも候補はいて…

3…体、心の傷(4)

蓮side 「栞…」 改めて栞を見れば、頰に痛々しい傷が、制服も汚れてる 「すまねぇ…っ」 ギュッと抱き締める 「後始末は僕達でやっておきます」 朔が下っ端に指示を出す、春也も 「悪い、頼む」 「任せろ!」 俺は栞を抱え上げる 家に帰ると、玄関先で組員が…

3…体、心の傷(3)

傍観者side 蓮は倉庫の入口をガシャンッと破壊する 入れば、鉄棒を持った男達が 「や〜っと来たかぁ、白狐(シロギツネ)共ぉ」 「栞を返せ」 「返す訳ねぇだろぉ?」 「姫さん今頃どうなってるだろうなぁ?奥でお楽しみ中だからよぉ。邪魔すんなよ〜」 ピクッ…

3…体、心の傷(2)

ーーーー 俺がまだ高校生の時 いつもなら栞の出席確認を終えた頃に迎えに行って 寒い時期用の溜まり場(空き教室)へ行くのに あの日は登校して早々に教師に呼び出された やっと話が終わり、栞が待つ教室へ行くが居たのは白狐の奴等だけ 「おい、栞は?」 「神…

3…体、心の傷(1)

大学から帰り、楼の部屋を通り掛かると 「鷹」 小さく、ハッキリと呼ばれる 「…すぐに」 蓮が少しだけ険しい表情に 部屋に入り、鷹の装束を纏う 蓮は険しい表情のまま だから、微笑んで 「行ってきます」 「…ああ」 仕事とかで蓮と離れる時は必ず、挨拶をす…

2…昼休み(2)

蓮side 俺が寝てる間、栞はいつも本を読んでる 「栞」 「ん?まだ寝てていいよ?」 「…」 返事があっても、意識は本だ だから、俺に向けさせてやる 「栞」 「ん?」 頭をグイッと俺に向かせてキスする 未だに不意打ちはダメだから顔を赤くして、そっぽを向く…

2…昼休み(1)

昼ご飯は大学内にあるカフェの個室で、私が作った弁当を食べる 蓮はすぐに完食し、私が食べ終わると隣に来て、私の膝を枕にして寝る 「栞」 「ん?まだ寝てていいよ?」 「…」 いつもは休憩時間が終わる直前まで寝てるけど 蓮はムク…と起き上がる 「栞」 視…

囚われの姫 2

1…大学 鴉間が捕まり、あれから数年 紫音は受験生になり、蓮は大学生に進学し、私も一緒の大学に行ってる でも勉強してる訳じゃない 蓮の…桜井コーポレーションの社長の息子の《付き人》をしてる その大学は大企業や財閥の後継とかが通うとこで、生徒の半数…