3…体、心の傷(2)

ーーーー

俺がまだ高校生の時

いつもなら栞の出席確認を終えた頃に迎えに行って

寒い時期用の溜まり場(空き教室)へ行くのに

あの日は登校して早々に教師に呼び出された

やっと話が終わり、栞が待つ教室へ行くが居たのは白狐の奴等だけ


「おい、栞は?」

「神崎さんなら、先に行ってると伝言を預かってます!」

「……分かった」


1人で行っちまったのかよ

すぐ会えなかった事に内心で舌打ちし溜まり場に行く

 

溜まり場に着くも


「あ?」


どこにも栞は居ない


「栞?」


呼んでも返事は無い

何でだ、何で居ない

水沢先生は休みだから音楽室じゃねぇ

そもそも伝言で溜まり場に行くっつってんのに、他のとこに行く筈もねぇか

でも、だとしたら…

 

悶々と考えてると、廊下を歩いてる男共が


「なあ、さっきのマズくねぇか?」

「ああ、神崎さんを連れて行ってた連中な。

    でも宮園がいたからな〜、下手に関わると後が怖えって」

「だよな、多分自分とこの「おい」」


男達の前に立つ


「あ、さ…桜井」

「今の話、どういう事だ」

「お、俺達は見ただけで、神崎さんには何もしてな「んなこたぁどうでもいいっ!」」


横の壁をガンッと殴る


「宮園達が、どこに行ったって?」

「そ、倉庫だよ。そこでなら、ゆっくり楽しんで…出来るからって…」

「…」

「そ、それ以外は何も聞いてねぇ!ホントだ!!」

「宮園と…誰がいた」

「黒邪(コクジャ)っつう連中だ!」


黒邪

俺等を堕とす為に、栞を嫌ってる宮園と手を組んだか

…だが


「お前等、最初から見てたのか」

「「え…」」

「どうなんだっ!」

「み、見てた!見てたよ!」

「どうやって栞を連れてったんだ」


栞が高校生相手に負ける筈がねぇ


「神崎さんは黒邪を殆ど倒してたけど、後ろで起き上がった男が襲い掛かって、

    神崎さんが回し蹴りをした時、足にスタンガンを当てたんだよ」

「…っ、くそっ!」


男達を残し、走りながら紫音に連絡する


『何?』

「紫音!栞が宮園と黒邪に連れてかれた!」

『え…、は!?』

「詳しい事は後から話す!黒邪の倉庫に行くぞ!」

『…分かった』


朔に白狐を収集させて、バイクを飛ばす