11…付き人

蓮side

仕方なく大学へ行き、講義を受け

母さんが作った弁当を持ちカフェに行く

個室に入ろうとしたら


「一緒にいいか?」


後ろから声を掛けられ、振り向けば


「!…お前っ」


そこには神崎修二と《Attendant(付き人)》のネームプレートを持つ男が

 

「…」


俺が感情に任せて手を出せば、コイツの思うツボだ

黙ってると肩に手を置かれ


「俺、アンタと話したかったんだ。いいだろ?」

「…」


無言で了承し、椅子に座る


「ありがとよ」


向かいに神崎が座り、付き人に手招きし


「お前も座れ」

「…」


付き人は無言で神崎の隣に座る

ちなみに俺の付き人は個室の外で立たせてる


「改めて、神崎 修二だ。こっちは付き人の松本 真(シン)」

「…よろしく」

「…」


松本は目をチラッと向けただけで、すぐにそっぽを向く


「悪いな、無愛想な奴で」

「いや、別に…」

「さてと、飯食うかぁ」


神崎の弁当は色鮮やかな色合いで、思わず目を向ける

神崎はニヤニヤと口角を上げ


「旨そうだろ?真に作らせたけど、これは旨い」


付き人に?


「親じゃねぇのか」

「1人になりたいっつって、お前んちの隣の家…神崎の本家に越してきた」

「…」


マジか…

内心で項垂れる

…にしても

神崎が弁当を食べてる横で、松本は飲み物しか飲んでない


「松本」


俺をチラッと見る


「飯、食べねぇのか」


松本は視線を外し


「…………ああ」

「真が気になるか?」


神崎はニヤァと口角を上げ


「別に…、飯食ってる奴の横で何も食ってないと気になんだろ」

「ふ〜ん?まあいいか」


神崎は立ち上がり


「これからよろしくな?桜井」


神崎の後を松本も無言で付いて行く

とっさに


「松本っ」


松本はピタ…と止まり、チラッと振り返る


「あ、いや…何でもねぇ」


松本は何も言わず出て行った

 


神崎さんと家に帰り、自室に戻る


「…はぁ」


思わず溜息が出る

いつかは接触すると分かってたけど

…駄目、仕事は仕事


依頼人を護る事だけを考えろ」


…でも、個室の外で立ってた付き人

アイツは、