40…護衛再開、最後の機会(2)

その時だ


「!?」


栞が突然消えた


「栞!?」


襖を開けると


「出て来るな!!」


俺に背を向ける栞と、栞と対峙してる…女?


「あら、獲物が出てきたわね」


女が俺に向かって手を突き出す


「!?」

「させるか」


栞は一瞬で女の前に移動し、女の手を捻り上げる


「くっ…!」


女は栞にねじ伏せられる

首に手刀を入れられ気絶したのか、クタ…と頭が垂れた


「やったのか?」


ホッと安心した瞬間


「!?  蓮!」


栞が叫んだ瞬間、一瞬で俺の周りに赤い膜が張られた

シールドってやつか?

次の瞬間、ドンッと上から衝撃が


「!?  何だ!?」


上を見上げると、空に浮いてる…女!?

待て、さっきの女は栞が気絶させた筈

気絶した奴を見ると、やっぱり上にいる女と一緒だ

栞が俺の前に移動すると女は降りてきて、栞と対峙する


「どういう事だ」

「《ヒュプノ》催眠能力よ、その女から奪った力」

「!?」


栞から奪った!?


「じゃあ、お前が…栞を誘拐した」

「それはちょっと違うわね。私は、力を奪っただけ

    捕まえたのはあの方よ」

「あの方?」

「私のマスター、鴉間様」

「鴉…間?」

「どうした!?」


騒ぎを聞きつけて、兄貴や和士さん、紫音等が来た