7…姫としての高校生活(1)

数日後

私が姫になったのは、あっという間に学校中に広まった

そして


「おはよう、神凪さん!」


いきなり挨拶してくる男子


「ほら、あの女よ。無理矢理姫にさせてもらったって噂の!」


軽蔑や憎しみの篭った目で見る女子


何でこんな事になってるか

それは噂の所為

1つ、白狐現総長に唯一近づけた女

もう1つが

姫になる為なら何でもする、無理矢理姫になった淫乱女


ヒソヒソと女子の声と男子の気持ち悪い視線

歩いてるだけで疲れる

すると突然、男子が現れ


「神凪〜、白狐総長とデキてんだろ?俺ともイイ事しようぜ?」

「…」


こういう奴も出る

メンドくさ

無視して通り過ぎる


「ちょっ待てよ!」


肩を掴まれる…前にしゃがみ、男の腹に蹴りを入れる


「がっ!」


男は仰向けに倒れ気絶する

蓮に護衛を付けると言われたが


「邪魔」


の一言で返した

仕事もだけど、喧嘩の時には体は震えないから不思議

でも1人、蓮に定時連絡する役割を同じクラスの前原が

前原は私を嫌ってるから、基本側にいない

理事室から場所移動する時、教室にいる前原に視認させるだけ


「おはようございます、神凪さん」

「おはよう、ございます」


水沢先生

姫になると言った後、自分で女だと明かした

最初は驚いてたけど、すぐに笑顔になって


「じゃあ神凪君じゃなくて、神凪さんね」


接し方は変わらないでいてくれる


「あの曲以外に知ってるのはありますか?」

「…メロディだけで、曲名が分かりません」

「口ずさんでもらえる?」

「〜♪」


記憶に残ってる音楽は、お母さんが歌ってくれたモノばかり


「それは、〜の曲ね。弾いてみましょうか!」


水沢先生との会話がいつも楽しい

〜♪

ピアノを聴いてから、屋上で過ごす

そして


「雫、行くぞ」


屋上で寝てると、蓮が来て倉庫へ行って飲み物飲んで、帰る

学校に広まってるとはいえ

正式に姫だと紹介されてない今、蓮と倉庫に入れば必ずザワつく


「毎回総長と来てるけど、本当に姫か?」

「噂なだけで、無理矢理着いてきてんだろ」


蓮に定時連絡する前原は、何で俺がって感じで私を見る

最初に会った時から良い印象じゃなかったし、まあそれはどうでもいい

どんな噂が流れようと、どんな扱いを受けようが別にいい

勝手にさせとけばいい、無視してればいい


それに、男はまだいいんだ

手を出してきたら潰せばいんだから

前原も流石に男が手を出して来た時は反射的に動いたけど

私がすぐに潰すから、今まで通り