2…白狐との出会い(3)

正side

屋上に入った時、つい栞って呼んじまった

そこには白狐の幹部メンバーと桜井に捕まってる栞

栞は何故か震えてない、あんな至近距離なのに

蓮だからか?

そう考えてると


「今井、コイツ…女だよな?」

「「!?」」」


桜井以外は驚いてる

神谷は、俺が咄嗟に栞と呼んでからずっと栞を見てる

内心焦ってると


「体全体が細いし、声が高い。

    それに、コイツを…栞って呼びましたよね?」

「聞き間違いだ」

「いや、確かに聞いた。しお「聞き間違いだ」」

 

 

蓮side

今井は必死に聞き間違いと言ってるが

確かに聞いた、栞って。

だから俺や紫音、事情を知ってる朔と春也が動揺してる

紫音は雫の前まで来て、不安そうな、しかし期待の篭る目で


「…姉…さん?」


もし…もし、本当に栞なら…


「違う」

 

 

桜井にはもう言い逃れ出来ないか

紫音が動揺して眼鏡ともう1人も困惑してる

けど、これ以上バレる訳にはいかない

紫音を守る為に


「はぁ…確かに俺は女」


腕を思いっきり突っ張って少しでも桜井と距離を取る

ウィッグを取ると皆、ジ〜ッと私を見る

紫音を見て


「でも、貴方の姉じゃない。貴方の苗字は?」

「……今は神谷、ホントは神崎」

「お前の苗字は?元々違うんじゃねぇのか?」

 

 

蓮side


「俺は元から神凪」


見つけたと、思ったんだけどな

紫音にとっては生き別れた姉が、ずっと探し続ける唯一の家族が

俺にとって、ずっと好きな女が