2…白狐との出会い(2)

蓮side

朝、会った時に思った

前髪と眼鏡で隠してるが、雫は整った顔立ちをしてる

男にしては高い声だし

手で顔を隠そうとするが、その手を掴み止める

俺の身長が180だから160くらいか

フードを外してから俯いて、視線を合わせようとしない


「おい、顔上げろ」

「…」


上げねぇか、だったら…

俺は雫の顔目掛けて、膝蹴りする…が


「「「!?」」」

「いきなり何すんだ、テメェ」


止められるとは思ってなかった

避けられるだろうスピードで仰け反らせて上を向かせようとしたが

足で相殺された…

予想外だが、上に向かせれた

眼鏡越しに睨む雫

…眼鏡邪魔だ

片手で雫の両手を抑え、眼鏡を外す


「!  待っ…」

「朔」


本を持たせてる朔に預からせる


「この眼鏡、伊達ですか」

「返せ」


朔を睨む雫の顎を掴んでグイッと目を合わさせる

前髪でまだよく見えねぇが、この目付き…

ジ〜ッと見てると未だに離れようとする

顎から手を離し、腰に回すと雫はビクッと固まる

腰細っせえ、やっぱりコイツ


「お前、やっぱり…おん」


バンッ!

ドアが思いっ切り開き


「栞!…っあ」


現れたのは今井

…ちょっと待て

今井、コイツを何て呼んだ?


「あ!今井!どこ行って「雫!」」


春也が今井に声を掛けるがそれを遮り《雫》と言い直し近づいて来る


「桜井、雫を離せ」

「…」


俺が離さないのを見て今井は眉を寄せる


「今井、コイツ…女だよな?」

「「!?」」


今井は目を見開く


「本当ですか?」

「ウソ!?マジ!?え〜!?」

「…」


朔は雫を見る

春也はパニクってる

紫音は目を見開き、雫をずっと見てる

俺と同じ様に、今井の言葉を考えてるはずだ


《シオリ》って名前を