3…組の仕事(2)

髪を一纏めにし、制服の上から漆黒のローブを纏いグローブを着ける

(キン●ダム●ーツというゲームの1●機関のローブのイメージ)


玄関を通れば、すぐに組員に囲まれる


「おいおい、何勝手に人様んちに入ってんだ?」


後ろから肩を掴もうとした男の手を取り、捻り上げる


「痛ててっ!」


その手を両手で掴み


「うわっ!」


背負い投げ

前の男とぶつかり地面に転がる


「テメッ何しくれてんだコラ!」

「「おらー!」」


掛け声と共に向かってくる組員、寄ってたかり過ぎだ

サイコキネシス(念動)》のシールドで内から外に、周りの奴等を弾く


「うぁ!?」

「何だ今のは!?」

「そんな一斉に来るな、暑苦しい」

「んだとコラァ!!」


次からは全て打撃

全ての攻撃を躱し、急所を狙う


「うげっ!」

「がはっ!」


数分でその場は片付いた

こういう時、体は震えないから思いっきり動ける

中から、様子を伺ってる組員


「全員出てこいよ、もっと俺を楽しませろ」

「相手は1人だ、やっちまえ!」


数はさっきよりも増えたが、それだけ

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると言うが


「弱い」


あっという間に終わった

銃を持ってる奴もいたが、俺の前では無意味


「う…てめ、何なんだ」

「鷹だ」

「鷹…だと!?」

「あの方が直接手を下す前で良かったな、俺は…」


ソイツの耳元で口に弧を描いて


「殺すのは止められてる」

「ひっ」


勿論殺しはしない、ただの演出だ

でも、今ので気ぃ失ったか


「さて」


中に入り、奥に進めば、銃をこちらに向けガタガタ震えてる男

コイツが組長か


「ガ、ガキが勝手に入ってくんじゃねぇっ!」

「勝手にじゃねぇよ、ちゃんと電話しただろ」

「くそ、何でだ!何でこんな事に!」

「いずれここは潰れてた、それが早まっただけだ」

「なっ…!」

「俺さ、イライラしてたんだよ。

    アンタ等さ、汚ねぇ事してきてるだろ、丁度良いと思って発散させてもらった」

「ふ、ふざけやがってぇ!!」


パンッ

発砲された銃弾を《サイコキネシス(念動)》で消し


「な!?」


一気に距離を詰め

横から首に手刀を当てる


「がっ…」


男は倒れるが意識をギリギリ保ってる

ってかそう加減した


「ここは俺が、鷹が潰した。解散すると情報を流せ」

「う…くそ」

「いいな」

「…分かった」


男が返事して気絶したのを確認して、組を後にする

 

時刻は夕方

日が沈むのが早く、道が暗い

《テレポート(瞬間移動)》すれば一瞬だ

そう思った時

ラクションを鳴らされ、警戒しながら音の方に顔を向けると男が車から降りる


「よう」

「…え」


出てきたのは、桜井楼

関東一の桜井組組長で元白狐初代総長、そして幼馴染


「どうして」

「近くで用事があったんだ」

「でもわざわざ桜井さんが…」

「楼」

「…楼が来なくても」

「和士にも話しがある。乗ってけ」

「…分かった」

「それとフード外せ。誰もいねえし、見えねぇよ」


幼馴染だけど、鷹として動いてる時は呼び方と口調を変える

けど、楼が大丈夫って合図した時だけ戻す

なんとなく楼を見てたら

あれ?

桜井が似てるのって


「出せ」

「はい」


車の振動が眠気を誘う


「寝とけ」

「…ん」


こうして学校生活初日が終わった