3…組の仕事(3)

蓮side

学校から帰り、部屋で雫の事を考える

転校してきた神凪雫

よく見えなかったが、屋上で顔を見た時、6歳の栞と重なった

あの目付き、歳も栞と同じ…


「…」


財布に入れてる写真を取り出す

幼馴染で撮った写真と、栞とだけの写真

…やっぱり、雫は栞に似てる

写真を持つ手にグッと力が入る

兄貴に相談してみよう

今の時間なら帰ってきてるはず


兄貴の部屋に向かうが


「あれ」


おかしい、部屋に明かりが点いてない

帰ってきてると思ったんだけどな

踵を返すと向こうから兄貴の側近の酒向が


「酒向」

「蓮様、どうしましたか」

「兄貴、まだ帰ってきてねぇのか?」

「若でしたら、用事は済まされましたが、和士さんに用が出来たと」

「和士さんか」


和士さんは幼馴染で、兄貴とはかなり仲が良い


「蓮様?」

「あ、ああ。引き止めて悪い。」

「自分で良ければ、伝えておきますが…」

「いや、直接話す。ありがとな」

「いえ。それでは、失礼します」


今日のところは諦めるか

俺は部屋に戻る

その後ろ姿を酒向が見つめていたのを気付かずに


同時刻の紫音

今日転校してきた神凪雫

姉さんかと思った

本人が、今井が違うって否定したけど…

雫は他人とは思えない、これは直感だ

財布にいつも入れてる写真

家族で撮ったのと、幼馴染で写ってるもの

この時は、皆笑ってた

姉さん…今はどんな風に笑うんだ