2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

12…蓮への隠し事(1)

数日振りの登校 紫音には今まで通り《雫》と呼ばせる 誰にも私達が姉弟と気づかれない様に 紫音side 「姉さんが白狐の姫、…本当の事を皆に言えば偽りの姫じゃなくなるのにな…」 コンコン 「紫音?そろそろ行くよ」 「今行く」 蓮、ゴメン 俺だけ先に でも、…

11…紫音との生活

翌日 ただ今、私の家で紫音の荷物を片付け中 …何故こうなったか 昨日家に帰ると和士がいて、忙しなく動いてる 「「何してんの」」 「おう。何って紫音の荷物を片付けてる」 「…は「ええええー!?」 私の言葉を紫音の叫びが遮った 「和士さん!やりますから…

10…少しだけの真実(2)

紫音side 数時間後 目が覚めた姉さんは力の暴走後の事は、よく覚えてないらしい 「どこまで覚えてる?」 「紫音がネックレスを着けようとして、それを止めて…それからどうしたっけ」 そんなに覚えてないんだ 蓮が幼馴染って言ったのも覚えてないのか 都合が…

10…少しだけの真実(1)

和士side さっきの暴走で、体が悲鳴を上げた 紫音にベッドに寝かせる様伝え、リビングに戻る ソファに座ると紫音が向かいに座る 「俺には説明してくれるよね?」 「ああ、でも条件がある」 「何」 「絶対に誰にも言うな。勿論、蓮にもだ」 「!? 和士さんは…

9…私の弟、紫音(3)

和士はリビングに居てもらい、部屋には私と紫音だけ 「姉さん、栞…姉さん」 「…」 「なあ、姉さんなんだろ?」 「…前にも言ったはず、私は貴方のお姉さんじゃない」 紫音がポケットからビニール袋を出す 「コレ、病院で…引き出しにあった。 デイジーって花の…

9…私の弟、紫音(2)

紫音side 改めてベッド周りを見れば、沢山の見舞い品 果物やゲーム機、服やらタオルケット、色んな物がある 一応、周りを確認して誰も居ない内に棚を開け毛布を入れる フェイスタオルとかは引き出しに入れようとガラッと開けると 「!?」 ビニール袋に入っ…

9…私の弟、紫音(1)

入院中、皆が来る度に色々と持ってきて、片付けが間に合ってない 紫音は前に私が好きだって言ってた抹茶系のお菓子とか 朔は果物とか、春也はゲームを持ってくる 和士と正は毛布とか暖房具 蓮は本を持ってきて 「これ、前に読んでたろ」 いつの間にって思う…

8…俺は、受け入れる(前原 春也) (2)

数日後、やっと雫が目を覚ました 「雫っ」 「雫さん!」 「雫!」 「…っ神凪」 目を開ければ白狐の幹部が揃って私を見てる…いや、1人遠いか ナースコールで医者が来て、検査へ 目は覚めたけど、体がまだ上手く動かないから、もう少し入院するらしい 検査が終…

8…俺は、受け入れる(前原 春也) (1)

ピッ…ピッ…ピッ…と規則的な電子機器音 ここは大門病院 雫はここに運ばれ、まだ意識が戻らない 頭部からの出血、体にある複数の打撲、冷え切った体 医者には、あと少し遅ければ危なかったと言われた 今は容体が安定して、目が覚めるのを待ってる 俺はここに寝…

7…姫としての高校生活(3)

蓮side 雫が姫になった 「雫に何かあれば連絡しろ」 春也にそう言ったが、連絡はほぼ無い 手を出す男がいたと初めて連絡が来た時は 「いたって何で過去形だ?」 「神凪が、もう…」 雫はどんな攻撃も簡単に躱し、急所を一撃で狙う ソレを報告された時は、屋上…

7…姫としての高校生活(2)

問題は 「ちょっと神凪、ツラ貸せ」 ほら来た 前原に視認させる為に教室に寄ったら、数人女子が私を囲む 無視したら 「無視すんな!」 肩を掴まれそうになるのを躱すけど、男と違い手出しは出来ない メイクが濃くって口調も荒いけど、一応女だからね こうい…

7…姫としての高校生活(1)

数日後 私が姫になったのは、あっという間に学校中に広まった そして 「おはよう、神凪さん!」 いきなり挨拶してくる男子 「ほら、あの女よ。無理矢理姫にさせてもらったって噂の!」 軽蔑や憎しみの篭った目で見る女子 何でこんな事になってるか それは噂…

6…白狐の、偽りの姫(2)

翌日 白狐の幹部に話した 「やっと折れてくれましたか」 「雫が姫」 「お前等、良いのか?姫っつっても…」 「大丈夫ですよ。お互いの了承を得てるんですよね? 蓮がそう決めたんなら、従います」 「俺も」 朔と紫音は、納得してる 問題は 「…」 前原か まあ…

6…白狐の、偽りの姫(1)

それから、ほぼ毎日 「雫、姫になれ」 私を見つけては何度も言ってくる 今まで会わなかったのが嘘みたいに 自分には拒否反応が出ないと分かってるから、わざと気配を消さずに来る 学校では力を使えないから、見つかれば諦めるしかない 「おい」 一応今は授業…

5…倉庫へ(4)

蓮side 俺は茫然としていた 一瞬だけだったが、それだけでも分かった なんて…冷たく、鋭い殺気 目先にナイフを突きつけられたかの様だ 紫音と朔と春也も驚いて固まってる ただの女が、あんな殺気…出せる訳がねぇ 「少し出る」 「…分かりました」 「どこ行く…

5…倉庫へ(3)

まさか、紫音にだけ見せたのか 「やっぱり、雫…姉さんに「ストップ」」 遮ったのは雫 「紫音の部屋ある?」 「ある…けど」 「連れてって」 「「「「!?」」」」 「おい待て」 「邪魔すんな」 その口調、気にくわねぇな 「何で紫音の部屋に行く」 ここなら、…

5…倉庫へ(2)

倉庫に着き、後ろを振り返る 雫は倉庫を見て、嫌そうな顔 「そんな顔してても連れてくからな」 「…チッ。」 バイクを降り、雫に手を伸ばす 雫はそれを一瞥し自分で降りる 伸ばしたままの手を下げ、雫の手を握ろうとするが 「やめろ、馴れ合う気は無い」 まだ…

5〜倉庫へ(1)

蓮side 屋上に続く階段まで走ってきた。念の為、気配を消してドアまで歩く ドアノブを握れば、ガチャ…と僅かにドアが動く、開いてる 雫が居る 静かにドアを開け、屋上に出る 雫はフェンスに凭れて座って寝てる 俺が来ても直ぐには気付かねぇのか フードと眼…

4…高校生活

私の高校の過ごし方 理事長室か屋上で過ごし、水沢先生が居る時だけ音楽室 昼休みは、ピアノを聴きがてら 「今日の紅茶はあの店から取り寄せたのよ♪」 「このお菓子美味しいでしょ?先生大好きなの」 ちょっとしたティータイムを 水沢先生は一緒にいるだけで…

3…組の仕事(3)

蓮side 学校から帰り、部屋で雫の事を考える 転校してきた神凪雫 よく見えなかったが、屋上で顔を見た時、6歳の栞と重なった あの目付き、歳も栞と同じ… 「…」 財布に入れてる写真を取り出す 幼馴染で撮った写真と、栞とだけの写真 …やっぱり、雫は栞に似て…

3…組の仕事(2)

髪を一纏めにし、制服の上から漆黒のローブを纏いグローブを着ける (キン●ダム●ーツというゲームの1●機関のローブのイメージ) 玄関を通れば、すぐに組員に囲まれる 「おいおい、何勝手に人様んちに入ってんだ?」 後ろから肩を掴もうとした男の手を取り、捻…

3…組の仕事(1)

屋上を後にし、和士の運転で帰ってる時 あ〜、イライラする 「和士」 「なんだ?」 「楼に電話して」 「ん〜ちょっと待ってろよ」 和士は車を脇に停め、スマホを操作する 『おう和士。どうした』 「おう。今度、潰す組があったよな?鷹に回せねぇか」 『…い…

2…白狐との出会い(4)

正side 桜井が女だと気づき、しまったと思った… でも 「違う」 栞がハッキリと否定した お前の抱えてるモンに巻き込まない為に、紫音を…アイツを守る為に 落胆する神谷 桜井はまだ何かを疑って雫を離そうとしない これ以上追求される前にと、栞の肩を掴んで…

2…白狐との出会い(3)

正side 屋上に入った時、つい栞って呼んじまった そこには白狐の幹部メンバーと桜井に捕まってる栞 栞は何故か震えてない、あんな至近距離なのに 蓮だからか? そう考えてると 「今井、コイツ…女だよな?」 「「!?」」」 桜井以外は驚いてる 神谷は、俺が…

2…白狐との出会い(2)

蓮side 朝、会った時に思った 前髪と眼鏡で隠してるが、雫は整った顔立ちをしてる 男にしては高い声だし 手で顔を隠そうとするが、その手を掴み止める 俺の身長が180だから160くらいか フードを外してから俯いて、視線を合わせようとしない 「おい、顔上げろ…

2〜白狐との出会い(1)

扉が開き男達が入ってくる 朝に会った男…桜井と眼鏡とその後ろから警戒してる男 そして、会いたくなくて、会いたかった…紫音 それぞれが警戒しながら近づいてくる 駄目だ、体が震え始める 朝、何故か桜井には震えなかったけど、今は知らない奴も居る 「お前…

1…始まり(3)

二宮朔side 僕は二宮朔(ニノミヤサク) 白狐現副長で情報収集を担当してます 今日は倉庫で過ごすつもりでいました 蓮からも 『(学校の)本借りてから行く』 この連絡があったので倉庫で待ってました 蓮の場合、本を買ったり学校以外で読もうとするとちょっとし…

1…始まり(2)

久八高に向かう車内 和士がバックミラー越しに私をジ〜ッと見て 「…なんか陰キャラになったか?」 …インキャラ? 「インキャラって何?」 「でも、隠す為にはしょうがないかぁ」 よく分かんないけど、見た目が良くないらしい…だったら別のを用意しとけよ 「…

囚われの姫 〜自由への道〜

1…始まり(1) 始めに本作の主人公を紹介します 神崎栞(カンザキシオリ) 黒髪の長髪、猫目、左が赤色のオッドアイ 物事にあまり動じません…クールな感じです それでは、どうぞ ある一軒家の前に1人の男性 家の主がまだ寝てると分かってるから、合鍵で家に入る …