9…私の弟、紫音(2)

紫音side

改めてベッド周りを見れば、沢山の見舞い品

果物やゲーム機、服やらタオルケット、色んな物がある

一応、周りを確認して誰も居ない内に棚を開け毛布を入れる

フェイスタオルとかは引き出しに入れようとガラッと開けると


「!?」


ビニール袋に入ってる…デイジーのネックレス

これは、母さんが着けてたネックレス

まさか…いや待て、同じデザインなだけかもしれない

裏を見ないと

恐る恐る裏返す


「!!」


雫が入浴から帰ってきた

バクッ…バクッ…と心臓が煩い


「綺麗に片付いたね」


雫はベッドに横になると俺をジッと見つめ


「どうかした?」

「!?」

「何か、さっきと違う」

「別に…」


今度は俺が気づかれない様に雫をジッと見る

まさか、まさか…

 

 

数日後


「お世話になりました」


和士と家に帰り、部屋で荷物を片付ける為に髪を纏めようと後ろに手を回す

 

「え…」


首元にある筈の物が無い

胸元に触っても


「無い!?」


その瞬間、ブワッと体から赤い光が溢れ出す

しまった!

コンッコンッガチャッ


「栞?終わったk「来ちゃ駄目!」」

「!?  栞!?」

「大丈夫!大丈夫だからっ!入ってこないで!」


意識を集中し、力を抑える


「すぅ…はぁ…」


深呼吸して、気持ちを落ち着かせる


「栞、いいか」

「ん」

「どうした、いきなり」

「ネックレスが無い…」

「!?」


病院に運ばれた時、どこかで落ちたのか


「栞、ネックレスは俺が探す」

「え…」

「お前は今、抑えるのに精一杯だ。

    力を制御出来ない今、ここから出たら…奴等にバレる」

「…」

「必ず見つけるから、な?」

「……分かった」


ピンポーン


「誰だ?」


和士が玄関に行く

私はしゃがみ込み、気持ちを落ち着かせる

大丈夫、大丈夫

和士が戻ってくる


「和士、誰だった?」

「雫」


和士の後ろから、その声は


「?  紫音」

「…」

「何で紫音が、ここに?」

「今井に聞いた」


正が簡単にここを教える筈はない


「何で、来たの」

「俺は、雫…いや、姉さんの大事な物を持ってるから」

「!?」

「ソレを届けに来た」