11…紫音との生活

翌日

ただ今、私の家で紫音の荷物を片付け中

…何故こうなったか

昨日家に帰ると和士がいて、忙しなく動いてる


「「何してんの」」

「おう。何って紫音の荷物を片付けてる」

「…は「ええええー!?」


私の言葉を紫音の叫びが遮った


「和士さん!やりますから!触らないで!!」

「1人でやるより、早いだろ?」

「あのs「そういう事じゃなくて!」

「ねえ、聞い「ああ、エロ本でも持ってんのか?大丈夫、俺は何も言わん。

     健全な男子高校生なら誰しも持ってる!」

「あのさ、聞い「持ってない!持ってないから一冊も!

     プライバシーの侵害だって言ってんの!」

「幼馴染だぞ?服の趣味もどんな物を持ってんのかも大体知ってるんだ。

    今更何を恥ずかしがってる」

「〜っ!」

「ほら、とっとと片付けr「いい加減に話を聞けー!!!!!!」


紫音と和士がピタッと止まる


「何?   私、何も知らないんだけど!?

    紫音は元の家に戻るんだよね?

    一緒には暮らせないって言ったよね?

    しかも、和士は知ってたみたいだし…何この状況!?」

「あ〜それはね、姉さん」

「俺が提案したんだ」

「和士?」

「折角姉弟として再会出来たんだ、一緒に暮らせばいいじゃねぇか」

「だからっそれは紫音が危ないから「紫音に渡したネックレス」」

「ソレがあれば、奴等には気づかれない。ならいいじゃねぇか」

「そうだけど、もし…もし、紫音が危ない目に合ったら…私はっ「姉さん」」

「姉さんの気持ちは分かってる。でもさ?俺だって和士さんと話して決めたんだ」

「?」

「これからは俺も姉さんを護る。危険な目にも合うかもしれない、それは覚悟したんだ」

「…っ駄目、紫音には普通の生活を送ってほし「それは俺も同じ」」

「俺だって、姉さんに普通の幸せな生活を送ってほしい。」


紫音が私に目線を合わせ


「もう、姉さんに護られてばかりの《し〜ちゃん》じゃないんだよ」

「!?」


『し〜ちゃん』

『お姉ちゃん!』

『し〜ちゃんは、ずっとお姉ちゃんが護るからね』


懐かしい、昔の呼び方

そうだ、もう紫音は大きくなった

紫音は私の頭を撫で


「これからは、俺が姉さんを護るから。大丈夫だよ」

「ん、うん。そうだね、紫音、大きくなったもんね」

「栞、今の紫音ならいいだろ?ここで一緒に暮らしても」

「…分かった。紫音、一緒に暮らそ」

「うん!」

「でも、あの家は?」

「大丈夫、いつでも帰れる。

    跡取りの事も姉さんと相談しなきゃって考えてたんだ」

「考えるも何も、私は今までいなかったんだから、紫音が継ぐべきでしょ?」

「今までいなくても姉さんは、神崎家の長女に変わりない」

「周りが反対する」

「勝手に言わせておけばいいんだよ」

「…ふぅ、また今度話そ。今は荷物を片付けよ」

「「おう!」」


それから暫く学校には行かず家で過ごし、必要な物を買いに出掛けた

紫音に初めてご飯を作った時は


「料理、出来るんだね」

「なんならお菓子も作ろうか」

「…マジ?」

「マジ」


驚いたと思ったら、子供の様に目を輝かせる


「姉さんの料理、頂きます!」


パクッ


「美味い!」


ニカッと笑顔で答えてくれる

紫音、私の…唯一の家族

無意識に紫音の髪を撫でていた

紫音は一瞬目を見開くも、泣きそうな顔でされるがままに

和士も荷解きだけ手伝って、それからは来ない

暫く、姉弟水入らずを満喫した