20…テストと夏休み(2)

それからと言うものの、春也はずっと勉強してる

…けど


「うわ〜っ!ここ分かんない!朔〜!」


幹部室で机を教科書で埋め尽くしてる春也


「はいはい」


隣で教えてる朔


「これのどこが分かんない訳?」


紫音がソファから身を乗り出して、手伝いながら呆れてる


私は紫音の隣で本を読んでる

とりあえず、煩い


「そういえば雫は?勉強しなくていいの?

    久八高校、不良ばっかだけど、テストとかはレベル高いよ?」

「教養ならとっくに済んでる。今更高校レベルの試験で躓かない」

「え、どういう「これ以上は言わない」

「え〜!何で!?教えてよ!どこで!?誰に教わったの!?」

「…」

「でもそれだったら雫が教えてよ!朔の説明難しいんだ!」

「ほう、僕では分かり辛いと?」

「だって、分からない問題が更に分かんなくなる!」

「僕に言わせれば、何が分からないのかが分かりませんね」

「同感」

「っ!じゃあ紫音、解いてみてよ!紫音だって勉強しなきゃだろ!」

「お前と一緒にすんなよ」


紫音が春也の隣に移動し、問題を解き始める

学生は大変だな

意識を本に戻すと影が落ちる

顔を上げると蓮が目の前に


「読み辛い」

「…」

「何」

「今の話、どういう事だ。教養ならとっくに済んでるって」


チラッと紫音達を見れば


「…!……!」


勉強に夢中で気づいてない


「言った通り」

「なら何で…うち(久八高)に転校してきたんだ。

    そもそも転校なのか?

    お前の口振りからは、久八高に来る前も学校には行ってない様に聞こえる」

「私達の会話は、質問しか無いな」

「お前がそうさせてるんだろうが、何を…いくら聞いても答えねぇんだから」

「詮索しかしないのか、お前は」

「そうされたくなきゃ、少しは自分の事を話せ」

「自分の事…ねぇ…」


蓮と合わせてた目線を紫音に向ける


「身内にも話せないのに、他人に話せる訳無いだろ」

「何?」


蓮と目を合わせ


「話す時が来るとしたら…『今の私』が居なくなる時だ」

「それはどういうk「春也、少しなら教えてやってもいい」」


蓮との会話を中断し、春也の元に行く


「今の、雫が居なくなる?」