11…独占欲、再び

数日後

栞と縁側でのんびりしてると、急に栞が明後日の方向を向く


「? どうした?」

「今、ケイから呼び掛けられた」

「…」


ケイは海外に戻った後も、こうやってたまに《テレパシー》で栞と話す

前に、何でケイから出来るのか聞いたら


『違うよ。ケイにも蓮と紫音みたいに身に付ける物を渡してて

 私と話したいって思ってくれれば、それを感じ取って話し掛けるの』


俺を他所に栞は楽しそうに《テレパシー》を使ってる

やり始めの頃は、あんな事があったし…まあいいかって思えてたが


「…、栞」

「ん?」


栞がこっちに向くのと同時にキスする

少し離れると、栞はポカン…と目を瞬いてる

肩を押して、床に押し倒す


「俺がいんのに、他の男と喋ってんじゃねぇよ」

「え?」

「前にも言ったよな?」

「それは、名前を呼ぶなって言ってなかった?」

「さっき《テレパシー》使う時、ケイからっつったじゃねぇか」

「そういう時は誰だって言うでしょ?」

「…、あ〜グダグダ煩ぇ

 とにかく、俺の前で他の男の名前を出すな、喋るな。分かったか」

「…それって、楼や紫音は入らないよね?…春も」

「……、もう黙ってろ」


煩ぇ口は塞いでやる


「え、ちょっと…んっ」


無理矢理舌を入れ、口内を弄ぶ

 

 

暫くして唇が離れ、銀色の糸がツ…と伸びる

ふと、前にケイがコッソリ言ってたのを思い出す


『蓮ってメチャクチャ独占欲強いから、気を付けてね』


「…おい」

「ん?」

「今、何考えた」

「…」

「言えよ」

「…、ケイに、言われた事を思い出してた」

「……、何言われたんだ」

「蓮は独占欲が強いから気を付けてねって」


蓮が苛立ち始める


「言ったよな?俺の前でアイツの名前言ったら、その口塞いでやるって」

「…」

「それにな…」


蓮はニヤッと口角を上げ


「アイツが思ってる以上に、俺の独占欲は強ぇぞ」


私はまた、嫉妬の獣に喰われた