48…再会

家には兄貴や朔達がいて

気を失ってる栞を見て、説明を求められた

全てを話すと、驚いたり泣いたりと大変だったが最後には笑ってくれた

これからの事は、一先ず明日からとなった

各自解散して、今俺は自室で栞といる

紫音は一旦、家に帰った。


『やっと、姉さんといれるんだ。記憶も戻ってるし、ゆっくり話してよ』


気ぃ遣わせちまったな


「…ん」


栞は目を開けると視線を彷徨わせ


「栞?」


俺を見る


「蓮…」

「起きれるか?」

「うん」

 

 

肩を支えられ、上半身だけ起きる


「どこか痛いとこは無ぇか?無理すんなよ?」

「うん、大丈夫。…蓮」

「ん?」

「ありがと。私を助けてくれて…受け入れてくれて、本当に…ありがとう」

「栞…」


蓮の胸に頭を預け


「側にいるって、離れないって言ってくれて…嬉しかった」

「栞」


蓮がギュッと抱き締めてくれる

記憶が戻り、蓮が自分にとってどれだけ大事か分かった

分かってからこそ、気掛かりな事がある


「蓮、今まで…ごめんなさい」

「今までって?」

「神凪雫として側にいた間の事。蓮に辛い思いをさせた…ごめんなさい」

「もういい。俺やアイツ等を危険な目に合わせたくなかったからなんだろ」

「…でも」

「アイツ等にも今度会った時に、一言言えばいい。それでチャラだ」

「それだけでいいの?」

「ああ」

 

 

蓮side

栞は納得すると、頭を俺の胸に擦り寄せてくる

…ヤバイ、可愛い

夜だし、布団の上だ

いやいやっ!今日は栞も俺も疲れてんだ!

今日はさっさと寝ねぇと…


「蓮?」


栞が下から目を合わせてくる

…謂わば上目遣い

あ、ダメだ。

理性が保たねぇ

栞の顎をクイッと上げ


「蓮?どうした…んっ!?」


初めての時は状況がああだったから分かんなかったが

栞の唇、柔らけぇ

チュ…チュ…と触れるだけのキスをしてる内に

唇を啄ばみ、柔らかさを堪能する


「んっ…」

 

 

急に唇を塞がれ触れるだけのキスから次第に、優しく唇を挟まれる様なキスに

でも、キスなんて経験の無い私は、何をどうしたらいいのか分からなくて

呼吸の仕方も分からず、苦しくて口を開いた


「んあっ!?」


口の中に何かが入ってくる


「あっ…んっ…れ…ん…!」


思わず蓮の胸を叩き、離れようとするが

頭と腰に蓮の手が回ってて、離れれない


どれ位経ったか分からない

唇が離れ、銀色の糸がプツッと切れた


「はぁ…はぁ…」

「…栞」


蓮の手が寝間着(浴衣)の隙間に入ろうとする


「ダメ!!」


前を合わせ、蓮から隠す


「!っ悪りぃ…」

「あっ…違、違うの!蓮が、嫌な訳じゃ…ないの…」

「?」

「……から」

「?  何て?」

「……傷が、…ある…から、蓮に…見られるのが…嫌」

「!」


蓮の反応が怖くてギュッと目を瞑る

すると

ポン…

頭に蓮の手が

目を開き、恐る恐る蓮を見ようとしたらギュッと抱き締められる


「れ、蓮?」

「大丈夫」

「…え」

「大丈夫だ。俺はお前を受け入れたんだ」

「…っ、でも…今日は…」

「そうだな、お互いに疲れてるし。今日は寝るか」

「え…と、このまま、二人で?」


布団は一人分しか無い

ここは蓮の部屋だから、自分のがあるよね?


「お前がいいんなら、このまま一緒に寝るか?」

「え!?…あっ…あのっ」

「今から自分の出すのもメンドくせぇ、寝るぞ」

「え…あっ、ちょ…!」


さっきまで休んでた布団に、蓮と寝る事に

心臓がバクバクしてるっ、あ〜っ!

内心慌ててると


「ほら、もっとこっち来いよ」

 

蓮に引き寄せられ、蓮の胸に耳が当たる

ドクン…ドクン…と蓮の心臓の鼓動が聞こえる

何だか、安心する

だんだんと眠くなり、瞼を閉じる瞬間


「おやすみ、栞」

「おや…すみ、蓮」


こうして、1日が終わり

この1日で、私の人生が大きく変わった